冬のアウターといえば何をよく着ますか?
アウトドア派ならやっぱりダウンジャケットでしょうか?
ぼくもしょっちゅうダウンジャケットを着ます。
でも、常々こんなことを思っていました。
「重たい」
「かさばる」
「動きにくい」
「冬でももっと身軽に過ごせたら......」
そんなときにフラッと立ち寄ったパタゴニアのお店で、店員さんに「これ、軽いのに暖かいんですよ」と紹介されたのが「マイクロパフフーディ」です。
手に取った瞬間は正直「こんなに薄くて大丈夫?」「確かに軽いけど、暖かいはウソでしょ?」と疑っていました。
でも、着てみてビックリ。
めちゃくちゃ軽いのに本当に暖かい。
まるでウィンドブレーカーを羽織っているようなストレスフリーな軽さと、見た目のコンパクトさからは想像できないほどのじんわりとした暖かさ......完全にヤラレましたね。
「これ買います」
もう即答でした。
いまでは、日常生活でもアウトドアでも、雨が降ろうが風が吹こうがどんな状況でも、とりあえずこの「マイクロパフフーディ」を一着持っておけば間違いないという確信があります。
実際に気温4℃の冷たい風が吹く日でも、半袖Tシャツ+薄手スウェット+マイクロパフフーディで全然寒くありませんでした。
もちろんダウンジャケットの包み込まれるような暖かさには敵いません。
しかし、
「冬の重装備から開放されて、もっと身軽に動きたい」
「とはいえ暖かさも犠牲にしたくない」
と思っているなら、「マイクロパフフーディ」を気に入るはずです。
本記事ではパタゴニア「マイクロパフフーディ」について
- 特徴
- サイズ感
- メリット・デメリット
など、実際に着てみた印象をお伝えします。
というわけで、パタゴニア「マイクロパフフーディ」をレビューしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
【メリット】
- かさばらないので動きやすい
- 車にそのまま乗り込める
- しなやかで着ごこちがいい
- 軽いため肩コリ知らず
- ジップを上まで閉めると首に密着するのでマフラー不要
- 薄いもののアウターとして十分戦力になる
- 雨に濡れても大丈夫なので、ダウンよりも扱いがラク
- 洗濯機で丸洗いできるためケアがカンタン
- 冬でも乾くのが早い
- とにかく使い勝手がよく、実用性が高い
【デメリット】
- 暖かさはダウンジャケットに劣る
- デザインがスポーティーなので街着は微妙
- ジップを上まで閉めると首まわりに圧迫感がある
- パタゴニア「マイクロパフフーディ」外観と特徴
- 洗濯方法
- パタゴニア「マイクロパフフーディ」サイズ感
- 「ナノパフ」と「マイクロパフ」の違い
- パタゴニア「マイクロパフフーディ」こんな人におすすめ
- パタゴニア「マイクロパフフーディ」レビュー まとめ
パタゴニア「マイクロパフフーディ」外観と特徴
まずは「マイクロパフフーディ」の外観とディテールの特徴をチェックしていきます。
178cm76kgのぼくはブラックのMサイズを購入しました。
【スペック】
表地:ナイロン100%
裏地:ナイロン100%
中綿:ポリエステル100%
重量:301g(Mサイズ)
価格:44,000円(税込)
左胸にパタゴニアのブランドラベルが付いているだけのシンプルなデザインです。
シンプルではあるものの、目を引くのがこのキルトパターン。
迷路のような斬新な縫い方となっています。
肩甲骨あたりのカッティングも独特で存在感がありますよね。
「マイクロパフフーディ」最大の特徴が、この軽さ。
アウターなのに、Mサイズでたった301gしかありません。350mlの缶ビールよりも軽いんです。
いちど羽織ってもらえれば分かるのですが、大げさではなく、ほぼ重さを感じません。まるでウィンドブレーカーを着ている感覚です。しかも中綿が入っているのに!
なぜこんなに軽いのか?
その秘密は、中綿に使われているパタゴニアの独自素材「プルマフィル」にあります。
「プルマフィル」は、その他の化繊系中綿と比較して1.4倍の保温力があることが分かっています。よって、少ない量でも保温性を確保できるため、ウェア全体の重量を抑えることができるんです。
この「プルマフィル」については後ほど解説しますね。
ちなみに「マイクロパフフーディ」は、重量に対しての保温性がパタゴニア史上ナンバーワンだそうですよ。
生地はPerseverance Mills社の「パーテックス・クォンタム」を使用しています。
ナイロンでありながら、肌ざわりは柔らかくしなやか。というのも、糸に10デニール(デニールは繊維の太さの単位)の超極細糸を使っているから。なので気軽に羽織れて、着ごこちバツグンです。
見た目に光沢がありますが、そこまでテカテカしていないので着やすいと思います。
よく見ると表面が格子状に織られ、リップストップ生地であることが分かります。
リップストップ=rip(引き裂き)stop(止める)の名前のとおり、摩擦や引き裂きに強いため、耐久性に優れています。
表面は撥水加工されているので、少々の雨なら弾いてくれます。
このとおり、しばらくは水滴が浸透しません。
中綿は、パタゴニアが2007年から10年もかけて開発したオリジナル素材「プルマフィル」です。
感触はふわふわと雲のように軽く、ダウンかと勘違いするほど。
ですが「プルマフィル」は化繊のため、ダウンの致命的な弱点である水に強く、取り扱いが圧倒的にラクなんです。
ダウンは濡れると保温性を失います。
化繊は、保温性・軽さ・コンパクトさではダウンに勝てません。
ですが、この「プルマフィル」は濡れに強く、軽量コンパクトで、他の化繊の1.4倍も暖かい。
つまり、ダウンと化繊のいいとこ取りというわけです。
仮に濡れたとしても暖かさが保てるので、突然の雨にも慌てずに済みます。
▼「プルマフィル」についての公式動画
「マイクロパフフーディ」が軽いのに暖かい秘密はキルトパターンにもありました。
キルトパターンをよく見てみると、ヨコ方向だけにステッチがあり、モコモコが完全には区切られていません。ほぼ全体が繋がっていることが分かるでしょうか?
このヨコ方向だけのステッチはデザイン面のインパクトだけでなく、実用面でもちゃんとした理由があります。
- 熱をためる部分が大きくなるため暖かい
- 中綿のズレや偏りを防ぐためコールドスポットができにくい
たとえばダウンジャケットを想像してみてください。
ダウンが入っているモコモコのひとつひとつがブロック型に区切られているはずです。
このように中綿を入れるスペースをステッチで区切ってしまうと、それぞれ熱をためる部分が小さくなってしまいます。また、中でダウンがズレたり偏ったりします。
「マイクロパフフーディ」の場合は完全には区切らず、全体を繋げることで中綿のズレを防止し、熱をためる部分を大きくしています。すると中で空気が循環するため暖かいんです。
▼キルトパターンについての公式動画
では、その他のディテールを見ていきます。
フードはコンパクトでタイトです。
登山などで、このフードの上からヘルメットをかぶれるようになっています。
外に出るのは目・鼻・口だけで、あご→耳→頭にかけてピタッと密着するので暖かいです。ただ日常生活で使うとだいぶ怪しい感じになるのでおすすめできませんが......。
フロントジッパーはベーシックなシングルタイプです。
一番上にジッパーガレージと、裏に防風フラップが装備されています。ジッパーガレージはジッパーを上まで閉めたときに直接あごに当たらないようスライダーを格納するためのものです。
ポケットはハンドポケット×2、内ポケット×2の合計4つ付いています。
内ポケットはタテ28cm×ヨコ17.5cmと、かなり大ぶりなサイズ感です。
500mlペットボトルと比較すると大きさが分かりやすいかと思います。
ジャケットそのものが薄手なため、かさばるモノを入れると不格好ですが、500mlペットボトル2本がスッポリ収まる収納力があります。
スマホや長財布が余裕で収まるので、手ぶらで出歩けて便利です。
袖と裾は伸縮性のあるパイピングで処理されています。
体の動きに合わせてフィットするため、冷気の侵入を防ぎ、中の暖かい空気を逃しません。
「マイクロパフフーディ」は左のハンドポケットの中に本体を収納できるパッカブル仕様です。
収納方法は......ポケットの裏側へジャケットをグイグイ押し込んでいきます。
シワなんか気にせず、どんどんねじ込みます。
すると......
両手に収まるほどコンパクトになりました。
アウターがここまで小さくなれば、とにかく持ち歩きがカンタンです。季節の変わり目や、いざというときの防寒用にバッグに入れておくと心強いですよ。
また中綿の「プルマフィル」は繊維が傷みにくいため、くしゃくしゃに丸めてもダウンほど気になりません。こういった隠れた心理的ストレスがないのもポイントです。
というわけで、ここまで外観やディテールをチェックしてきました。
パタゴニア「マイクロパフフーディ」はシンプルでありながらも、実用面において機能・メリットともに盛りだくさんでしたね。
でも気になるのは価格かと思います。本当に4万円の価値があるのか?と。
44,000円(税込)は決して安くはありません。ぼくも最初は「こんな薄いジャケットに4万は無理」と思いました。
でも実際に着てみた今では、4万円は妥当だと確信しています。
ちょっといいダウンジャケットなら4万円はします。それどころか6万、8万、10万とするものだってゴロゴロあります。どれも絶対に「マイクロパフフーディ」より暖かいです。
でも動きやすいでしょうか?
もし実用性や使い勝手を重視するのであれば、「マイクロパフフーディ」の右に出るアウターはそんなにないと思います。
あと「マイクロパフフーディ」の大きなメリットのひとつに、洗濯機で洗えることがあります。以下で、どのように洗えばいいか解説します。
洗濯方法
パタゴニア「マイクロパフフーディ」は自宅の洗濯機でザブザブ洗えます。
「ちょっと汚れたかな」と思えば気軽に洗濯できるので、常にジャケットを清潔に保てます。なによりケアや取り扱いがカンタンで手間いらず。これが一番助かるポイントです。
でもダウンジャケットの場合はそうはいきません。クリーニングに出す手間やコストがかかるので、「汚れているだろうなぁ」と分かっていても、そう何回もクリーニングできないのが現実です。
なので「マイクロパフフーディ」のような高機能アウターが自宅で洗濯できるって大きなメリットなんです。
では、どうやって洗えばいいのか。まずは洗濯表示を確認してみましょう。
表示内容をまとめるとこんな感じです。
【OK】
- 水温30℃までの洗濯機洗い
- タンブル乾燥
- ドライクリーニング
【NG】
- 漂白剤
- アイロン
ようするに、普通に水洗いして自然乾燥させるか乾燥機で乾かせばいいだけ。いたってカンタンです。
注意点を挙げるなら、洗う前にジッパーを閉めて、洗濯ネットに入れることくらいでしょうか。そうすれば生地が傷みにくくなります。
では、次に「マイクロパフフーディ」のサイズ感をチェックしていきます。
パタゴニア「マイクロパフフーディ」サイズ感
サイズ表(cm)
身幅 | 後着丈 | 裄丈 | |
---|---|---|---|
XS |
51
|
57
|
88
|
S |
53
|
60
|
90
|
M |
57
|
62
|
93
|
L |
62
|
65
|
95
|
XL |
66
|
67
|
98
|
XXL |
70
|
70
|
100
|
3XL |
77
|
72
|
102
|
パタゴニア「マイクロパフフーディ」はUSサイズのため、大きめの作りとなっています。
よってサイズ選びは、普段着ているサイズよりもワンサイズ小さめがおすすめです。
178cm76kgのぼくは基本Lサイズなのですが、パタゴニア「マイクロパフフーディ」はMサイズを選びました。
実際に着てみた画像がこちら。
中にTシャツ+スウェットを着用して、ちょうどいい感じです。袖や裾も長すぎず短すぎずのいいバランスです。
脇腹あたりはわりとスリムですが、脇や肩まわりは余裕があります。
おそらく逆三角形のようなシルエットになっているのでしょう。腕が動かしやすく、窮屈感はまったくありません。
Tシャツ+シャツ、Tシャツ+スウェットまたはセーターくらいなら十分いけます。寒冷地でなければ、冬でも普通にアウターとして使えますよ。
注意点としては、ジッパーを上まで閉めると首まわりがタイトになるので、やや圧迫感があることです。その分、首元から風は入ってきません。マフラーいらずの暖かさです。
ということで繰り返しになりますが、サイズ選びはワンサイズ小さめがおすすめです。
サイズ感に関して、パタゴニア公式サイトの口コミをいくつかシェアしておきますので、ぜひ購入の参考にしてください。
身長165cm体重58kでXSでも少し余裕があります。 ベースレイヤーをキャプリーンその上のミドルレイヤーとして使用しています。 着丈と袖丈はピッタリです。
167cm 70kg 胸囲102cmのガッチリ体型で、 Sサイズがぴったりでした。 インナーはTシャツ1枚のみですが、まだ着れます。Mサイズではきっと大きいです。
身長172センチ、体重60キロ Sサイズで、下にフリースを着ても余裕あります
身長171、体重72、肩幅、胸筋ありのガッチリ体系。中に着る物のことを考え、少し大きめのMサイズをチョイスしたが、大きくて見栄えが悪すぎ…。 カスタマーサービスに連絡し、サイズ交換はできないけど返品は対応してくれるとのことで、Sサイズを再購入。
175、70、Mサイズでベストでした。 最高の保温力と放熱?力を兼ね備えており、タウンユースであれば、下にTシャツ1枚で冬の屋外、店舗や病院の室内もこれ一枚で全てクリアできます。
身長183cm,体重72kg, サイズMを購入。サイズ感はピッタリ。 下にR1を着て良い感じ。
184cm80kgでパタゴニアはいつもMサイズですが、この商品もMサイズでジャストフィットです。ナノパフジャケット→マイクロパフジャケットと使用して、春秋の釣り、MTB等ライド&ポタリングに使用の際に頭部も温かくしたいと思って購入しました。
LとMで迷いましたが、Mに。 180cm 78kg下にフリース着てもパツパツにはなりませんでした。ラグランなので肩幅広めの体型でも圧迫感がなく、だけどフィット感は最高です。 Lだと胴回り肩周りがダボついて不格好に見えました。
179センチ、94キロ、ウエスト90の男です。Lサイズを購入しました。 (中略) 少し太り過ぎているせいでジャストサイズです。
それでもサイズに迷う場合は、パタゴニア公式サイトでサイズが異なる2着(たとえばMとLなど)をいったん購入し、試着後に不要な方を無料で返品することも可能です。
ちょっと気が引けるかもしれませんが、実際にパタゴニアが認めている方法なので、試してみてください。(参考:サイズやカラーなど製品選びに迷った時は、どうしたらいいですか)
次に、よくある疑問が同じパタゴニアの「ナノパフ」との違いです。スペックを比較して具体的にどう違うのかを解説していきます。
「ナノパフ」と「マイクロパフ」の違い
パタゴニアには「マイクロパフ」シリーズとよく似た「ナノパフ」シリーズがあります。
ここではフード付きの「ナノパフフーディ」と「マイクロパフフーディ」を例に、それぞれの違いをスペックをもとに比較していきます。
ナノパフフーディ |
マイクロパフフーディ |
|
---|---|---|
生地 |
20デニール
ポリエステル
|
10デニール
ナイロン
|
中綿 |
プリマロフト
ゴールド
60g
|
プルマフィル
65g
|
重量 ※カタログ値 |
363g
|
298g
|
キルトパターン |
一般的な
ブロック型 |
全体が繋がって
いるような形状 |
【生地】
マイクロパフは10デニールの超極細糸を使用し、しなやかで着ごこちがいいのが特徴です。一方のナノパフは20デニールの極細糸を使用。マイクロパフよりも耐久性に優れます。
【中綿】
中綿の機能はほぼ同じですが、プルマフィルの保温性は他の化繊系中綿よりも40%優れていることが分かっています。さらに量も5g多く封入されているため、暖かさはマイクロパフに軍配が上がります。
【重量】
マイクロパフの方が約20%も軽量です。
【キルトパターン】
ナノパフは一般的なブロック型で、熱をためる部分が小さく、中綿が偏る可能性があります。マイクロパフは全体が繋がっている形状のため、熱をためる部分が大きく、中綿が偏ることもありません。つまりマイクロパフの方が暖かいと言えます。
【結論】
マイクロパフのほうが軽くて暖かい。
ナノパフの上位互換がマイクロパフと言っていいでしょう。マイクロパフは中間着とアウターどちらにも使える万能選手。ナノパフはどちらかといえば中間着向きです。
では、「マイクロパフフーディ」はどんな人に向いているのでしょうか?
パタゴニア「マイクロパフフーディ」こんな人におすすめ
軽くて暖かい「マイクロパフフーディ」は、以下に当てはまる人におすすめします。
- 冬でも軽快に動きたい
- こどもと思い切り公園で遊んであげたい
- 車移動が多く、アウターを着たまま乗り降りしたい
- マフラーの着脱が面倒で、ほどけてしまうのが煩わしい
- アウターもこまめに洗濯して清潔にしておきたい
- ケアや取り扱いにあまり気を使いたくない
- どちらかといえばミニマリスト的志向がある
一方で、おすすめしないのはこんな人です。
- とにかく暖かさ重視→ダウンジャケットがおすすめです
- 通勤に使いたい→スーツには合いません
- おしゃれな街に出かけたい→見た目がスポーティーなので微妙です
- キャンプで焚き火したい→火の粉で穴が空きます
パタゴニア「マイクロパフフーディ」レビュー まとめ
以上、パタゴニア「マイクロパフフーディ」をレビューしてきました。
「マイクロパフフーディ」の魅力はズバリ【めちゃくちゃ軽いのに本当に暖かい】ことです。
実用性や使い勝手を重視するのであれば、「マイクロパフフーディ」の右に出るアウターはそう多くはありません。
この冬、重装備から開放されて、身軽に過ごしてみませんか?
ぜひいちどチェックしてみてください。
【メリット】
- かさばらないので動きやすい
- 車にそのまま乗り込める
- しなやかで着ごこちがいい
- 軽いため肩コリ知らず
- ジップを上まで閉めると首に密着するのでマフラー不要
- 薄いもののアウターとして十分戦力になる
- 雨に濡れても大丈夫なので、ダウンよりも扱いがラク
- 洗濯機で丸洗いできるためケアがカンタン
- 冬でも乾くのが早い
- とにかく使い勝手がよく、実用性が高い
【デメリット】
- 暖かさはダウンジャケットに劣る
- デザインがスポーティーなので街着は微妙
- ジップを上まで閉めると首まわりに圧迫感がある
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